トイレのタンクの水が止まらないトラブルだけでなく、便器の水の流れが悪い、あるいは異音がするといった場合、タンク内の「水位」が適切でないことが原因である可能性も考えられます。タンク内の水位は、トイレの機能を正常に保つ上で非常に重要な役割を担っています。 タンク内の適正水位は、通常、オーバーフロー管(タンクの中央にある筒)に記された「W.L.(ウォーターライン)」の印が目安となります。水位がこの基準よりも低いと、便器に流れる水の量が不足し、洗浄力が低下して汚れが流れにくくなります。一方、水位が高すぎると、水がオーバーフロー管から便器に流れ続けてしまい、水が止まらない状態になったり、無駄な水道代がかさんだりします。 水位を調整する方法は、タンク内のボールタップに付いている浮き玉や水位調整ネジを操作することです。浮き玉があるタイプでは、浮き玉のアームを上下に曲げることで水位を調整できます。水位を低くしたい場合は浮き玉を下に、高くしたい場合は上に曲げます。水位調整ネジがあるタイプでは、ドライバーでネジを回すことで水位を調整できます。 水位の調整は、止水栓を閉めてタンク内の水を抜いてから行い、調整後は止水栓を開けて水を溜め、水位が適正になったか、水が止まるかを確認します。この調整は、水が止まらないトラブルの際に、ボールタップの故障ではなく、単なる水位のずれが原因である場合の対処法としても有効です。日頃からタンク内の水位に意識を向け、適切な状態を保つことで、トイレのトラブルを未然に防ぎ、快適な使用を維持できるでしょう。