おしゃれなトイレリフォームを成功させる上で、避けては通れないのが「収納」の問題です。トイレットペーパーのストック、掃除用ブラシや洗剤、サニタリー用品など、トイレには生活感が出やすいアイテムが数多く存在します。これらの必需品を、いかに美しく、そして機能的に収納するか。その答えは、「見せる収納」と「隠す収納」を、空間の広さやテイストに合わせて巧みに使い分けることにあります。まず、「隠す収納」は、生活感を完全にシャットアウトし、すっきりとした空間を維持するための基本です。最も一般的なのが、便器の上部のデッドスペースを活用した「吊り戸棚」です。トイレットペーパーなら12ロール以上収納できる大容量のものが多く、扉を閉めてしまえば、中は見えません。扉の素材を壁紙や建具と合わせれば、空間に統一感が生まれます。また、タンクレストイレと手洗い器を組み合わせるリフォームでは、手洗いカウンターの下を「キャビネット収納」にするのがおすすめです。排水管を隠しつつ、掃除用品などをまとめて収納できるため、非常に機能的です。さらに、リフォーム時にぜひ検討したいのが、壁の厚みを利用した「ニッチ(埋め込み収納棚)」です。壁から出っ張ることなく収納スペースを確保できるため、狭いトイレでも圧迫感を与えません。扉を付けて隠す収納にするも良し、あえてオープンにして「見せる収納」のスペースにするも良し、と自由度の高さが魅力です。一方、「見せる収納」は、空間に彩りと個性を加えるための、インテリアテクニックです。例えば、壁面に無垢材のオープンシェルフ(飾り棚)を数段設置し、お気に入りの香りのディフューザーや、小さな観葉植物、アートフレームなどを飾ってみましょう。トイレットペーパーも、あえてクラフト紙でラッピングしたり、おしゃれなワイヤーバスケットに入れたりすれば、素敵なディスプレイの一部になります。ただし、「見せる収納」は、置きすぎるとごちゃごちゃした印象になってしまうため、飾るアイテムは厳選し、余白を意識することが重要です。生活感の出るものは徹底的に「隠し」、お気に入りのアイテムだけを厳選して「見せる」。このメリハリこそが、機能的でありながら、ホテルのように洗練された、おしゃれなトイレ収納を実現するための極意なのです。
「見せる」と「隠す」を使い分ける、おしゃれなトイレ収納術